テザーの運動シミュレーション-宇宙エレベーター特別教室(13)

 宇宙エレベーターの長さは、CNTの長さのミリメートル単位で表すと10兆(テラ)ミリメートル(10,000,000,000,000mm=10*E13ミリメートル)にもなります。
 これほどの大きな数になると、成立性が疑われるとする学者もいます。

 また、これだけの長さになると、太陽発電衛星などのいわゆる大型宇宙構造物の数10キロメートルオーダーの大きさをはるかに超えるため、その運動は非常に複雑なものとなると考えられます。

 まず、カウンターウエイトのない長さ144,630キロメートルのテザーが直線を保ったまま地表を支点として赤道面内で振り子のような運動をすると考えましょう。このとき一度振れて元に戻るまでの時間、周期、は189時間かかります。
 すなわち約1週間以上で一振れする非常にゆっくりした運動になります。

 もちろんテザーはひもですから、部分ごとに小さな振動から大きな振動まで、色々な周期での運動をします。

 図は、このときの横軸に高度をとり、縦軸に横方向の振れ(変位)をとって、約30時間(100,000秒)ごとに変化する様子を示した数値シミュレーションの例です。

テザーの運動シミュレーション

 地上に固定された根元部分や、カウンターウエイトのついていない先端が複雑な運動をすることが分かります。
これを「尻尾を地上にくくりつけられた龍のよう」だと表現した人もいます。

 テザーが大きく暴れた時の制御方法と、地上のポート部分が固定できるのかなどは今後研究しなくてはならない課題であることがおわかりいただけるかと思います。

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