宇宙エレベーターより宇宙船が先に実用化された理由-学生と考える宇宙エレベーター(3)

ツィオルコフスキーは、ジャックと豆の木の「豆の木」のごとく、とんでもなく高い構築物を建てていくことによって、地球の遠心力と重力が釣り合う「静止軌道上」に到達する、という理論を考えました。

1960年、ユーリイ・アルツターノフ氏は、逆に静止軌道上からその上下にケーブルを伸ばす「軌道エレベーターの構想(天のケーブルカー)」を発表しました。

下から構造物を積み上げるのではなく、静止軌道上から「ひも」のようなものを地上に向かって垂らす、ということですね。こちらは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のようなイメージ、でしょうか。
大きな構築物を宇宙まで、というよりもぐっと実現性が高くなった、ような気がします。

宇宙エレベーター

ところが、私たちが真っ先に「人が宇宙に行く方法」というと、ロケットやスペースシャトルなどの宇宙船を思い浮かべるのではないでしょうか。
1961年に人類初の有人宇宙飛行を行ったユーリ・ガガーリン氏(「地球は青かった」と言った人ですね)はボストーク宇宙船に乗っていましたし、1981年から何度も地球と宇宙空間を往復したスペースシャトルも宇宙船と言えるでしょう。

宇宙エレベーターより宇宙船が先に実用化されたのには理由があります。
宇宙エレベーターを構築する上で一番の問題となったのは、「ひも」として適当なものがなかったからです。
静止軌道からつりさげ、宇宙エレベーターを構築するために必要な「ひも」の全長は104,000キロメートル。
東京からアメリカのシカゴまでの距離が約10,150キロメートルですから、その10倍以上の「ひも」を垂らさなくてはいけません。
あまりにも「ひも」が長すぎるため、垂らすだけで「ひも」自体の重さで切れてしまうのです。

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