断面一定テザーはどのくらいのばせるのか-宇宙エレベーター特別教室(2)-

宇宙エレベーターの「ひも」(ケーブル)の素材として注目されているカーボンナノチューブ(CNT)を使い、ケーブルの全体の長さを見積もることは、宇宙エレベーターの実現可能性をさぐる上で重要なポイントになります。

そこで、断面を一定にしたまま(断面一定テザー)まっすぐなテザーを伸ばすとどうなるかを調べてみます。

静止軌道上から地球表面までテザーを伸ばした宇宙エレベーターで、遠心力と地球の引力の差によってテザー全長(横軸:単位は1万km)にわたってテザーに働く応力(単位面積あたりにかかる力)の関係を図に示します。

テザーに働く応力

静止軌道は約36,000キロメートルなので、図から横軸が3.6(単位:10000キロメートル)のところでは応力(図ではStress[Gpa])が一番大きくかかることがわかります。この部分は、上と下から引っ張られるのでこの結果はよくわかると思います。

テザーに働く力(応力)は静止軌道上で一番大きく、上または下に行くに従って小さくなることが分かります。
これは先のほうが支える長さが短くなって軽くなるからです。

このことから、カウンターマス(=子衛星などの「おもり」)を考えないときのテザー長さは144,630kmとなることが分かります。

また、この図からテザーの長さに拘わらず、テザーに働く最も大きい応力は約68Gpa(ギガパスカル)となることがわかります。

カーボンナノチューブ(CNT密度1.4kg/m3)の引張り強さは,最大で理論的には100GPaと想定されているので,宇宙エレベーターは実現出来る、とされるのです。

さらに、先端に子衛星などのカウンターマス(おもり)を取り付ければ、テザーの長さを短くすることができます。

結果として全体の長さを短くし、宇宙エレベーター自体の質量も減らすことができるかもしれません。

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