宇宙エレベーターの「ひも」の形-学生と考える宇宙エレベーター(21)

宇宙エレベーターの「ひも」としてカーボンナノチューブ(CNT)を使えば、実現の可能性があることがわかりました。
長さの調節が可能、とはいうものの、全長10万キロメートルにわたる長い「ひも」になりそうです。

そうなると、やはり気になるのは「ひも自体の重さでひもが切れるのではないか?」ということです。
いくらCNTとはいえ、実際に宇宙エレベーターを設計すると衛星などの施設の質量も考えなくてはいけませんから、ひも自体の質量はできるだけ小さくしておきたいところです。
また、宇宙空間に材料を運ぶことを考えると、宇宙エレベーター(テザーシステム)自体の質量が小さい方が運びやすくなります。

宇宙エレベーター(テザーシステム)全体の質量を軽くするためには、ひも(テザー)の形を工夫する、ということが考えられます。
ひもの断面にかかる力が最も大きいところは太く、それほど力がかからないところは細く、と「ひもが切れない程度に(=テザーの断面にかかる力を一定にしながら)、ひも自体の太さに変化をつける」ことで、ひもの質量を軽くすることができます。

こうすることで、全体的にひも(テザー)は先細りテーパー構造)になります。
このような、断面にかかる力が一定のテザーのことを「応力一定断面テザー」といいます。

ひも自体の質量が小さくなれば、ひもの重さ自体で切れる可能性が減ります。
そのため、CNTでなくとも宇宙エレベーターの「ひも」の素材が見つかる可能性も出てきます。
テーパー構造のテザーって、小さな工夫だけど重要なポイントなんです。

「応力一定断面テザー」については、今回の「宇宙エレベーター特別教室」で詳しく解説いたします。ご興味のある方はぜひご参照ください。


★この記事の「宇宙エレベーター特別教室」(応力一定断面テザー)を、「[神奈川工大機械工学科航空宇宙専攻★公式ブログ]宙(そら)をめざせ!」にて公開中です!
物理の専門用語などを用いた詳しい解説を行っています。
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