宇宙エレベーターの最上階は必要以上に猛スピード―宇宙エレベーターをめぐる「宇宙の物理」(11)

 宇宙エレベーターと人工衛星の違いといえば、「人工衛星は飛んでいるけれど宇宙エレベーターは地上と『ひも』でつながっている」というところです。

 「ひも」でつながっている以上、宇宙エレベーターはどの地点をとっても、地球と同じように1星日で地球の周りを1回転するのです。(当たり前、といえば当たり前ですが)

 放っておいても地球と同じように1星日で1回転する静止軌道ならばあまり問題はないのですが、地球からの高度が約10万キロメートル、と言われている宇宙エレベーター最上階の場合はどうでしょうか?

 もし人工衛星だったらば、「宇宙第一速度は高度が上がるほど遅くて済む」わけですから比較的ゆっくりしたスピードで動いています。ちなみに、この場所にある人工衛星はせいぜい秒速2キロメートル、時速にして7,000キロメートルくらいで動いています。

 ところが、地表から100,000キロメートルの距離にある宇宙エレベーター最上階は、地球の周りの約17倍の距離を、地球と同じように1星日で回らなければいけません。
 そこから計算すると、宇宙エレベーター最上階は秒速7.8キロメートル、時速にすると約28,000キロメートルもの超高速で動いていることになります。

 人工衛星の約4倍、という一見「ムダに速い」速度で動いているわけですから、周りの衛星とぶつからないような交通管制は必須になりますね。

 また、この「ムダに速い」スピード故に、火星や月へ行く宇宙船の発着場としての利用価値も上がるのです。
 何せ、この高度での第一宇宙速度の4倍のスピードで動いているわけですから、ちょっとした力を加えてあげるだけで地球の引力を振り切る第二宇宙速度に達することができますよね。

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